まいてつ聖地マップ~熊本県人吉市
2021年11月21日に熊本県人吉市へ旅行に行ってきました。人吉市を選んだ理由は、マコ夫婦がハマった「まいてつ」というゲームの聖地巡礼のためです。
ところが、舞台となった人吉市は2020年7月に球磨川の氾濫で大被害を受け、どうなったのか心配している方も多いでしょう。そこで現地の今の状況をお伝えします。
なお、被災地を観光することは不謹慎だという人もいるかもしれませんが、東日本大震災で被災経験のあるマコ夫婦の思いとしては何もしないよりは応援に行く方がいいし、実際、2016年の熊本地震の時も観光に行きましたが、旅館の方も被災地への旅行が不謹慎と言われることを「風評被害」と言われていました。
(1)人吉へのアクセス
令和3年11月時点でも交通機関にあちこち被害が残っています。
残念ながら鉄道は肥薩線がいまだに流された鉄橋がそのままのため八代~人吉~吉松まで全面運休です。復旧工事もされている様子がありません。まだ少なくとも1年はかかりそうに見えます。くま川鉄道も球磨川第四橋梁が流されているので全面運休でしたが、11月28日から川を渡らない区間(肥後西村~湯前)だけ部分運転を再開するそうです(情報源:くま鉄公式)。
車で来る人は、九州自動車道が普通に使えるうえに、八代IC⇔人吉IC間が無料措置になっています。通行券でもETCでもOKですが、八代と人吉の間の1区間だけ走行した人だけ無料ですから、注意してください。例えば熊本から人吉まで走った人が、八代から人吉分が割引になるわけではありません。
国道は八代~人吉間の国道219号線が通り抜けできなくなっています。一般道で八代側から人吉に入りたい人は、八代→(国道3号線)→芦北町花岡交差点→(県道27号線)→球磨村神瀬交差点→(国道219号線)→人吉、というふうに迂回路があります。えびの側の国道221号線は問題なく通り抜けできます。
(2)市内の駐車場事情
グーグルのストリートビューを見ると人吉駅に向かって左側のMOZOCAステーションにコインパーキングがありましたが、駐車場の広い更地を利用した復興商店街になっていました。水害で被災したお店の方が入っているようです。ここに十数台は停められるマスが残っていますが、そこに置いて市内観光するのは迷惑になるので、宿泊場所のホテル等に駐車して観光するのがいいでしょう。青井阿蘇神社や発船場にも駐車場はありますが、置いて他所に行くことはできません。ちなみに、宿泊予定のない方が停められそうな場所ですが、駅の北側の道沿いに近隣の公園のためと思われる未舗装の駐車場所があります。
(3)聖地巡礼
①石造機関庫
上記(2)の場所に車を置けばすぐそこにあるのが石造機関庫。ゲームでは入り口付近に鉄骨でできた屋根があったようですが、今はなくなっています。ちなみに、SLはここにはなく、ほかの地方で走っていると地元のラジオで紹介されていました。
②御一夜温泉駅ホーム
駅の南北を結ぶ歩道橋の途中からホームに行けるのですが、この歩道橋には改札口がなく、運休中とはいえ入っていいのか心配だったのでくま川鉄道の事務室に許可をもらいに行きました。聞いたところでは勝手に入る人がいるようですが、ちゃんと言えば許可してくれたので、一言ことわって入りましょう。ゲームに出てくる場所は5番ホームです。肥薩線の人吉駅が後ろに見えているのですが、現実とゲームでは駅までの間に何か別の建物が描かれています。
③いちたびゲストハウス
室内に仕切りが設けられていて少し狭くなっていました。その壁がなくてもそれほど広い部屋ではなく、ゲーム中では10人近く集まって会話をしていましたが、とてもそんな広さはありません。
入口の前に券売機が新設されています。かつて、くま鉄とまいてつのコラボ記念切符が発売される構想があったそうですが、まいてつがアダルトコンテンツであったことから問題にされ、立ち消えになったことがありました。現在、まいてつとは別の「夏目友人帳」という作品でも聖地として登場することから、こちらの記念切符を買ってきました(900円)。
④がまだすステーション
駅のすぐ横にある子供向け施設です。細かなところまで一緒ですね。
内装やミニSLが停まっている位置まで一緒ですね。モゾカの「M」をかたどった模様もがまだすに置き換わっているので「g」になっています。また、数字もリアルは868ですが、ゲームでは当然8620です。
⑤カフェ亜麻色・ホテル天守閣
ここは聖地ではありませんが、「まいてつ祭」が行われるときに中心となる場所のようです。マコ夫婦も聖地巡礼に来るまえまで知らなかったのですが、ちょうど来たその日、プチイベントが行われていて、なななななんと、主人公のハチロク姉さんがいるではありませんか!
もちろん記念写真を撮らせていただいて、グッズも万単位購入。
うちの部屋にも等身大のハチロク姉さん(のぼり旗)が…あぁ、見つめられてる…これでは悪行できないw
⑥まいてつ聖地案内マップ
ここも聖地ではありませんが、おそらく唯一、公の場でまいてつの紹介がされているものです。例によってアダルトコンテンツであることが足かせになって行政がタイアップできないのでしょう。まいてつのゲーム内でアダルト的な部分は本当のオマケみたいなものなので、そこまで目の敵にすることないと思うんですけどね。
ストーリーの完成度の高さはアダルトな部分を打ち消して余りあるほどのすばらしいものなんです。例えば、ハチロクちゃんは「レイルロオド」と呼ばれるいわゆるアンドロイドなのですが、自身が人間に作られた「物」であることを受け止めて謙虚な姿勢で人間に尽くす姿を見ると、人権とは何かを考えさせられますし、鉄道事故で一瞬に家族全員を失ったもう一人の主人公・右田双鉄がハチロクに惹かれ、人間ではないハチロクと家族になりたい(結婚したい)と苦悩する姿は涙ものです。
また、地域おこしを大企業誘致で行うか、観光資源の掘り起こすかなど、経済の仕組みもまじめに考えているし、観光施設への市の補助にあたって議会と市長がバトルする場面など、政治の仕組みにも触れた教育的にも役立つストーリーなのです。
アダルト部分はストーリーから独立していて見ないこともでき、見なくてもストーリーの理解など全く支障ありませんので、実際女性がプレイしても全く嫌悪感を感じませんでした。
⑦赤井阿蘇神社
赤い社の前に池があり、そこにアーチ状の橋が架かっているのですが、欄干が洪水で壊されています。ゲームと同じ見え方がするポイントはこの橋のうえなのですが、危険なので登れないようになっています。こんな高いところまで川の水面が来たのかと思うと恐怖感をおぼえますね。ゲーム画面に書かれている小さな灯篭は流されてしまったのか、写真には写っていません。
⓼隈元銀行御一夜支店
ゲームとリアルがほぼ全く同じように一致します。撮影ポイントは銀行のすぐ前の広い交差点の対角線の歩道上です。
⑨登呂流湯
リアルでは「公衆温泉・新温泉」というところですが、2020年の水害で廃業になったとのWEB情報がありました(情報源はこちら)。すぐ脇に球磨川の支流があり、堤防よりも低い位置にあるので甚大な被害を受けたのは想像に難くないところです。つい1年前まで営業していたと思うと惜しい限りです。周囲では被害を受けた建物がどんどん解体されていたので、見に行きたい方はお早めに!
⑩蓑笠鍛冶屋
ナギちゃんの家ですね。リアルでは「蓑毛鍛冶屋」だったのですが、水害を受けて建物は撤去されてしまいました。「九日町」の石だけ残っています。お店の方は2km離れた場所で再開しているそうで現地に立札がありました。ググれば店主さんのものと思われるFacebookが出てきますね。このFacebookの過去の記事から見ると、ご自身の店がまいてつの舞台になったことを自ら発信していらっしゃいますので、とてもファンにも優しいお店だったんですが、遠くに離れてしまったのは残念です。
⑪右田一酒造場
モデルは「渕田酒造場」です。水害のためか入口や窓が開けっぱなしで中が丸見えで、人が誰もいません。見る限りお酒造りを再開しそうな雰囲気はなく、別な目的で使っているような掲示物がありました。それがあるということは取り壊しを待っているわけではないと理解していいのでしょうか。ゲーム内では酒造場が広めに描かれていますが、この建物内には該当するような箇所はなさそうでした。
⑫おみやげ大吉
ゲーム内での聖地ではありませんが、ゲームから派生して制作されたアニメ「レエル・ロマネスク」の第2話でアニメ版の主人公すずしろちゃんが覗ているお店「おみやげ大吉」さんのホンモノ(しかも実名)があります。店主のお姉さんもまいてつのことをよくご存じで、アニメで登場したお店の場面の陳列に合わせて実際の陳列をしているこだわりようです。商品のメインはまいてつではないのですが、聖地巡礼に訪れるファンに見てもらおうと非売品ですがまいてつグッズを飾っています。ぬいハチシリーズをいくつもお持ちで、ぬいぐるみ用の着物を作って売られていました。いろいろ地元のまいてつ事情も聞かせてもらっちゃいました。いま駅前周辺でまいてつ関係で地元の生の声が聴けるのはここだけかもしれません。
⑬久保山屋
ゲーム中ではこのお店が関係する内容はありませんが、よく街中の風景的な場面で登場します。奥の「かじや」というお店が廃業されたそうですが、この看板はまいてつ祭でファンの方に譲渡されたという情報を大吉のご主人に伺いました。
⑭球磨川くだり発船場
ふかみちゃんの仕事場ですね。リニューアルして新しくきれいな建物になりました(情報源は公式サイト)。見た目はゲームと同じではなくなりましたが、窓の感じと窓の外にあるお社があるおかげで、ゲームと同じ場所であることがうかがえます。お社の赤色が剥げているのは、そこまで川の水が上がってきたからのようです。水害で以前のように「川くだり」はできなくなってしまいましたが、そのかわりに「梅花の渡し」というコースで船に乗ることができます。本来のルートだとこの発船場から乗って川を下っていき、下流から送迎バスで発船場に戻ってくるはずだったのですが、川の中の大きな岩が邪魔になったり、砂で浅くなったりしたため、発船場の付近の数百mをぐるりと回って戻ってくるコースになっています。実際に船を漕ぐ体験もさせてもらいました。ちなみに、船の中に置いてあった箱のようなものに「早瀬」と名前が書いてありました。もしかして、ふかみちゃんのモデルがいるとか!?
⑮(地図の範囲外)矢岳駅
肥薩線を人吉から南に行くと、ストーリーで何度も登場する「大畑(おこば)駅」がありますが、さらにその南に「矢岳(やたけ)駅」というところがあります。ここには駅のすぐ横にデゴイチが飾ってあって無料で自由に見ることができます。運転席にも上ることができます。ゲーム中で矢岳駅は登場しませんが、述仙炭鉱廃駅でハチロク姉さんが切符切りのマネをするシーンがあり、そのモデルがここではないかと思うのです。全面運休中の駅なためドアが施錠されていたので、ゲームと同じ場面の再現はできませんでしたが、待合室がだだっ広くて何もない感じはそっくりそのままでした。
⑯(地図の範囲外)湯ノ医駅
御一夜鉄道の終点駅でリアルでは「湯前(ゆのまえ)駅」です。大きなアーチが特徴的です。
⑰(さらに範囲外)述仙炭鉱廃駅
ゲーム中では御一夜と湯ノ医の間にあることになっていますので、リアルだと「あさぎり」付近を想像しますが、実際のモデルは長崎県南島原市の原城(はらじょう)という旧島原鉄道の駅がモデルになっています(YAHOO地図)。ゲーム中にあるような待合所はありませんが、ホームがそのまま残っています。
⑱(範囲外)廃駅
ゲーム序盤で登場するホームだけの廃駅も上記17の近くにあります(YAHOO地図)。ほかの方の聖地巡礼記事では蜘蛛の巣だらけで踏み込めなかったそうですが、マコは初冬で草が枯れて虫もいない雨天の日に行きましたのでゲームと同じ角度で撮影に成功しました。ただ、枯れ草がボーボーでホームの一部が隠れてしまいましたが。
※ゲーム画面はLOSE社の「まいてつLasuRun」から引用しています。
最近のコメント