老人の暴走運転には
最近なんだか老人によるアクセルとブレーキの踏み間違えとみられる暴走事故が多発していますね。
Yahoo!ニュースのコメントを見ると、一定の年齢になったら強制的に免許を失効させるべきという主張が多くみられます。
車の性能に関することに触れている方もいますね。たしか、メーカーもアクセルを強く踏み込むとコンピュータが踏み間違えと判断して加速しないようにする装置も開発しているという話も聞きます。
そこでちょっと思ったんですが、「AT車限定免許」があるのと同様に、一定年齢以上になったら「MT車限定免許」というふうにするのはどうでしょう?
MT(マニュアル車)は踏み間違いによる急発進ということがほぼ不可能な仕組みになっていますし、現在の技術をそのまま使っているので、その気になればすぐにできます。
MT車が安全な理由は以下のようにたくさんあります。
(1)踏み間違えると発進そのものができない
マニュアル車の場合、「左足で半クラッチ+右足でアクセル」という状態を1~2秒持続させないと発進できないからです。ひとつでもペダルが違うと発進できないのです。ただしMT車で想定できる唯一の急発進事象は、「左足クラッチ切り+右足フルアクセル」という動作が必要ですが、左足が滑った場合に起こりえます。ただし、MT車のローはギア比がAT車よりも格段に大きいので、どんなにふかしても20~30キロしか出ず、AT車のようにローで60キロまで出るようなことはありません。
(2)停止の運転操作は間違えても加速にはならない
仮に、クラッチがつながってしまった状態で踏み間違いが生じたとしても、MT車を停止させる運転操作は普通、「左足でフルクラッチ+右足でブレーキ」なので、これを間違って右足でアクセルを踏んでしまった場合でも左足でクラッチかブレーキのどちらかのペダルをフルに踏めばそれ以上の加速はしなくなります。
(3)そもそも左足がクラッチで固定なので間違えにくい
実際にマニュアルを運転しているとわかりますが、常に左足はクラッチペダルに固定で、右足のようにアクセルとブレーキの踏み分けがないので、ペダルの位置を間違えにくいんです。
(4)前進-後退の方向とシフトレバーの方向が一致している
AT車とMT車の両方を運転する人は違和感を感じたことがあるかもしれませんが、AT車はシフトレバーの操作方向が「前進は後ろ、後退は前」なのです。MT車の場合は「前進は前、後退は後ろ」です。そこに操作ミスの原因の一端があると思いませんか?
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(5)シフトレバーをNにするという動作が思いつきやすい
急発進すると動転してしまってギアをNにするということは思いつかないのでしょうが、AT車は走行中にシフトレバーを操作することがほとんどなく、MT車の方が日常的にシフトレバーを操作するため、左手がシフトレバーを握っている可能性が高く、いざとなったらニュートラルにするというとっさの動作が取りやすいです。
逆に言うと、MT車は発進という操作が難しく、ちょっとでも間違えると車が停止してしまうため、安全上は非常に有利な方向へ働きます。高齢になったら間違いが生じやすいという傾向があるなら、MT車の方がいいです!
「面倒だ」、「できない」…というなら、私も免許剥奪に賛成です。
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