「離合」って方言なの?
◆ブラタモリでタモリさんが言ってた「離合」
昔、ブラタモリの中でタモリさんが「すれ違うことを九州の方言で離合というんです…」というようなことを言っていた記憶があります。
私も、これを聞いたとき「えっ、離合って方言なの?」と思ったのですが、むしろそこではなく、北海道民のマコがあたりまえに使ってたことが不思議だったのです。
マコ夫婦は北海道と宮城県の出身で、西日本にゆかりのある親類はほとんどいません。マコにとってこの言葉が自然に感じる理由がなぜなのかGOOGLEで検索した結果、こんな記事が出てきました。
◆「離合」を知ってる人は県別で大きな偏りがある
Jタウン研究所というところが、「離合」という言葉をどれだけ知っているかを都道府県別に調べた記事がありました。(→こちらから引用)
こんなに明瞭な差があるもんなんですね。東日本ではよくて20%程度の認知。秋田、山形、福島、群馬は認知度0%のうえに聞いたことがある人もいないという。まぁ、たしかにマコが離合という言葉を話し言葉で使うことはないので、周りの人は知らないのかというのは驚きでしたが、九州を中心とした方言というのがまだ疑問でした。
◆Wikipediaに「離合」という記事はない
そこで、「離合」をWikipediaで検索すると…
「ウィキペディアには「離合」という見出しの百科事典記事はありません」
うそぉ~!項目すらないの?!
一方、「ウィクショナリー」という似たようなサイトでは…
(交通・鉄道用語)自動車や列車が行き違うこと。
(中四国・九州方言)せまい道で自動車が徐行しながら行き違うこと。
…と出ていました。
マコは旅行好きの道路マニアなので特別なのかもしれませんが、もともとマコは交通関係の行政事務の仕事をしてますので「離合」という言葉になじみがあったわけです。九州の方言としてではなく、交通の業界用語だったのですね。
◆マコが離合を自然に知っていた理由
調べてみると公文書にも「離合」という言葉が出てきます。
この2ページの8行目に「大型車両同士の離合の際には…」と出てきています。このPDFファイルは国土交通省が道路の事業計画書を作成するときの見本として作成している物なのでどの都道府県でも同じです。マコもまさにこのような文書を作成する部署にいたことがあるので離合という言葉をすんなり受け入れてました。
行政文書では「お知らせする」を「通知する」というように、「すれ違う」を「離合する」という具合に、難しい言葉にするとこうなんだという、ただそれだけのように感じて使ってました。「離合」という言葉も的確でイイんですよ。すれ違う時、横にぶつけないかヒヤヒヤしながらそぉ~っとすれ違って、抜けた瞬間に「ぶつけなくてよかった~じゃあね~」と対向車に手を振って「離れ合う」わけです。
◆西日本で使われる理由
離合という言葉が、方言から始まったのか、業界用語から始まったのかはよくわかりませんが、日本全国を走りまくったマコの感覚で言えば「西日本は狭い道路が多いからすれ違いに苦労する場面が多い」というのが離合という言葉が広まった理由だと考えます。もちろん東日本にも狭い道はあるんですが、特に北海道在住のマコが西日本で車を走らせて驚くのは、地形が急峻なうえに山の斜面スレスレまで道をつくったり家を建てたりすること。北日本では雪崩の被害に遭うのでこんなところに道路や家は作らないです。定住者がいないので交通量が少なく、すれ違うという場面自体が少ないと考えられます。また、都市部でも西日本ほど歴史が古く、狭い路地が今でも残っているところが多いのでしょう。北日本は歴史が浅いので都市部ですれ違いが困難な道など探さないと見つからないくらいです。
まぁそんなわけで、自分が住んでいる周辺の道路が狭くて自治体に要望を出す場面が多ければ「離合」という言葉を文書に書くこともよくあるっていうことなんでしょうね。
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